わたしは、ダニエル・ブレイク【ネタバレあり感想】決して人ごとではない、これが現実だなんて辛すぎる!

こんばんは、asamiです。

最近映画館に行けてないので、レンタルした映画をご紹介しております。
今回見たのはこちらの映画!

 

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

59歳のダニエル・ブレイク(デイヴ・ジョーンズ)は、イギリス北東部のニューカッスルで大工として長年働いてきたが、心臓の病によりドクターストップがかけられてしまう。国からの援助を受けようとするが、複雑な制度や慣れないパソコン操作により必要な援助が受けられずにいた。そんなダニエルは、ある日役所で口論になっていたシングルマザーのケイティ(ヘイリー・スクワイアーズ)と2人の子供を助けたことで、交流を持つことに。ケイティもまた、最近訳ありでロンドンから引っ越してきたばかりでお金も働くところもない状態だった。ダニエルとケイティたちは、貧しいながらもお互い協力しながら生活していくのだが、厳しい現実が彼らを苦しめていくのであった。

 

個人評価 面白かった

 

それでは映画を見た感想をネタバレありで書いていきます!

 

監督がどうしても伝えたかった作品

この映画を作った監督は、イギリスを代表する巨匠ケン・ローチ監督。
長編映画監督デビューから50年。前作の「ジミー、野を駆ける伝説」を最後に引退を発表していたが、現在のイギリスや世界中の貧困や格差に苦しむ人たちを見て、どうしても今伝えなくてはならない!と引退を撤回してまで作られた作品です。
本作は、そんな監督の強い思いがずっしりと伝わってくるとても良い作品で、第69回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞しております。

 

あーいるいる!こういう人!と思っていたら・・・

主人公のダニエルは、何十年と大工として働いてきたベテラン職人です。妻に先立たれ、心臓病を患い仕事ができなくなってしまいました。冒頭では、援助を受けることができる審査をするためにいくつかの質問をされているところから始まります。
質問内容は、「介護は必要ですか?」とか「手は使えますか?」とか「便をもらしたことはないですか?」とかそんな感じなんだけれど、その質問に対してダニエルは「俺は心臓が悪いだけだから、手は使える!」とか「尻のことは関係ないだろ!」とかいう感じで、質問に答えるというような感じじゃなかったんですよね。
そして、アパートの敷地で飼い犬の散歩中にフンをさせていた男性に大声で注意したりと、それだけを見ていると日本でもよくいる自分勝手な高齢者に見えてしまって、あ〜こういう人いるよね。今日もちょうどニュースでやってたしなぁ。という目線で見ていました。

でも、ダニエルが街を歩いていると声をかけてくる人たちは、みんな優しい人たちばかりなんですよ。心配だから、何かあったら助けになるから声かけてな!って。そういう周りの人たちを見ていると、ダニエルってとてもいい人なんだろうなって思うんです。
確かにちょっと頑固で一筋縄ではいかない感じなんだけれど、困った人は助けるのが当たり前だっていう思いがある優しい人でした。優しい人の周りには優しい人が寄ってくるんですね。私は見ていくうちにどんどん惹かれていって、最終的にはダニエルみたいな人になりたい!とまで思うようになっていました。

 

日本でもよく聞く貧困社会

ダニエルが役所で偶然出会うケイティと2人の子供達。
ロンドンのアパートで暮らしていたんだけれど、部屋の雨漏りが原因で息子が病気になってしまったことを大家さんに言ったら、一方的に追い出されてしまい、ニューカッスルに引っ越してきたというシングルマザーの家族です。ケイティは22歳という若さで学生。2人の子供の父親もそれぞれ違うという、結構訳ありな感じです。。それでも、子供達のために仕事を探したり一生懸命頑張って生活をしています。

ケイティの、子供のためにご飯も食べるのを我慢し仕事を探している姿は、本当に一生懸命で見ていて辛かったです。人ってお金に余裕がなくなると、理性をなくしてしまうんだろうなってつくづく思いましたねー。
客観的に見ていたけれど、日本でだってよく耳にする貧困。
日本だって子供を育てて行くには良い環境とは言えないですよね。働きたいけれど職もない、保育園に預けることもできないということは結構よくあることだし。
この映画を見て、決して他人事ではないことなんだなって、危機感を感じましたね。

ややこしくてわかりにくい制度

ダニエルもケイティも役所での手続きがうまくいかず、援助が受けられない状態になってしまうんですが、見ていた私にもさっぱりな制度でした。
ドクターストップがかかっているのに、役所では仕事ができる状態だから職を探せと言われ、それはできないと答えたら手当をもらうために履歴書を作って面接した証拠を持ってきてくださいって・・・。は?って思いました😅

しかも、手続きはパソコンでやらなければならず、自分たちのようなまだ若い世代には別に問題はないかもしれないけれど、今までパソコンなんて触ったことがなかった人たちにとっては手続きをするのも地獄なわけです。マウスの使い方がわからず、パソコンの画面にマウスを置いたり、手続き完了ボタンを押したらエラー音がなってしまったシーンはちょっと笑ってしまいました😅笑 でも、わからない人からしたらそうなってしまいますよね。

当時のイギリスの社会保障制度を調べてみたところ、5年以上に及ぶ緊縮財政(福祉、住宅手当、社会保障の削減)と福祉保障制度改革の結果、片手に指が一本でもあれば就労可能とされるくらい、障がいの認定基準が厳しくなったらしいです。頭蓋骨の半分以上を失い記憶障害になった人に対しても、就労可能とした事例もあったみたいですよ。ありえない話ですよね・・・。脳みそ半分なくても生きてるんだから働けってことかよ!ひどすぎる。

 

わたしは、ダニエル・ブレイク

ダニエルは、自分が生きて行くのも大変な状況なのに、ケイティの家に行って壊れた所を直したり、子供たちの面倒を見たりと、とても優しいんですよね。内面から優しさが滲み出ているくらい。本当はダニエル本人が助けを求めたいくらいなのに、頑固だから助けを必要としないんです。でもやっぱり、自分のしたことってちゃんと返ってくるんです。ケイティの娘のデイジーが、「私のこと、前に助けてくれたよね?それなら私も助ける!」って言うシーンがあるんだけれど、助け合いって必要だなって改めて感じました。

人としての尊厳を失わず、最後まで自分の信念を貫き通した姿はまさに感動ものです。
何もかも嫌になってしまったダニエルが、役所の外壁にスプレーで書いた文字は、題名の「わたしは、ダニエル・ブレイク」の意味がわかる瞬間でした。

貧しくても、病気で働けなくても、人間として生きる尊厳を失いたくないし、社会によって尊厳を奪われたくない、そういうメッセージが込められている作品でした。

まとめ

この問題は監督が言うように、イギリスだけでなく他の国でも深刻な問題になっていくことだと思います。そうなってしまった時に、自分たちはどういう選択をしていかなければならないのか、諦めるしかないのか、先のことを考えるととても不安ですね・・・。
カンヌ国際映画祭でもパルムドールを受賞したことから、同じようなことをみんなが考えているんだと言うことがわかります。
1人でも多くの人に、この作品を見てもらえたらいいなぁと思いました。

気になる人は是非見てみてください!

👋👋👋