ただ今のんびり運営中

サーミの血【ネタバレあり感想】差別から逃れるために故郷を捨てた少女の行く末は?

こんばんは、asamiです。

今日は

「サーミの血」

の感想を書いていきます。

この映画は、パッケージの雰囲気が不気味だったので最初はホラー映画だと思っていました。

丁度、めちゃくちゃ怖いホラーを探していた時だったので、すぐさまあらすじを調べてみたら、実際はホラーではなくとても考えさせられる内容でした。

レンタルされてからはいつも借りられている状態だったんですが、最近やっと観ることができたので感想書いていきまーす!

 

 

サーミの血

 

この記事にはネタバレを含む項目があります。
気になる方は、目次をご利用ください!

 

予告動画

あらすじ

 

スウェーデン北部で暮らしている少数先住民族・サーミ人は、1930年代当時スウェーデン人から厳しい差別を受けていた。
サーミ人のエレ・マリャ(レーネ=セシリア・スパルロク)と妹のニェンナ(ミーア・エリーカ・スパルロク)は、寄宿学校へ通うことになるが、そこではサーミ語を話すことを禁じられていた。
外を歩けば近くのスウェーデン人から差別的なことを言われ、学校にはサーミ人の実態を調べるために研究員が来る・・・
そんな日々が嫌になっていたエレは、進学したいと先生に相談をするが、「あなたたちの脳は、文明に適応できない」と言われ進学を断られてしまう。
ある日エレは、スウェーデン人になりすまして参加した夏祭りで、スウェーデン人の青年・ニクラス(ユリウス・フレイシャンデル)に出会い恋に落ちる。
どうしてもサーミ人としての状況から抜け出したいエレは、ニクラスを頼って学校を飛び出し、街を出ることに。

 

主な登場人物

 

エレ・マリャ(レーネ=セシリア・スパルロク)

 

スウェーデン北部の山岳部で暮らしている少数先住民族・サーミ人。
主にトナカイを遊牧して狩猟をしながら生活している。
ある日、妹と一緒に寄宿学校へ通うことになる。

 

 

クリスティーナ/エレ・マリャ(マイ=ドリス・リンピ)

 

現代のエレ。
スウェーデン人として生きるため、クリスティーナという名前を使っている。

 

 

 

ニェンナ(ミーア=エリーカ・スパルロク)

 

エレの妹。
エレと一緒に寄宿学校へ行くことになる。
故郷へ帰りたいが、スウェーデン人からの差別的な言葉に耐えながら一生懸命学校生活を送っている。

 

 

ニクラス(ユリウス・フレイシャンデル)

 

スウェーデン人の学生。
夏祭りでエレと出会い一緒にダンスしたことがきっかけで、エレに好意を持つが、エレがサーミ人だと知り・・・?

 

 

 

映画について

 

「サーミの血」を手がけたのは、アマンダ・シェーネル監督
スウェーデン人とサーミ人との間に生まれ、自身にもサーミの血が流れています。

 

自身もサーミの血を引く者としての実体験や、祖父母やその周辺のインタビューをした内容なども加えながら、故郷を捨てた主人公、そして故郷にとどまった者の人生を描いた作品となっております。

また、主人公エレを演じたレーネ=セシリア・スパルロクや、妹・ニェンナを演じたミーア=エリーカ・スパルロク、そして現在のエレを演じたマイ=ドリス・リンピもサーミ人だというから驚きです。

通りでサーミ語も自然なわけだ。

そんなこともあって、「サーミの血」は、2016年東京国際映画祭にて、審査員特別賞および最優秀女優賞のダブル受賞を果たしました!

 

 

観た感想

 

me

血は変えられない。
でも、行動次第で未来は変えられる。
でも・・・明るい未来かどうかはわからない。

 

とても複雑でとても考えさせられましたねー。

「北欧スウェーデン」と聞くと、ちょっとおしゃれなイメージを持つ私たち日本人ですが、サーミ人という民族がいることや昔スウェーデン人による迫害があったなんて知らなかったので、とても勉強になりました。

余談ですが、「アナと雪の女王」に出てくるクリストフもサーミ人だったんですね!驚き!
今でも残る差別問題ですが、昔は本当に酷かったんですね・・・。

差別といえば、「デトロイト」も印象に残る作品でした。

 

私たちは、生まれる国も人種も選んで生まれてくるわけではありません。
もし、自分がサーミ人として生まれていたらどうしていだだろうか?
自分の血を受け入れて生きていくのだろうか?
と、観ながらそんなことを考えていました。

 

主人公の想いの強さ(ネタバレあり)

 

サーミの血

 

この映画を観て一番感じたのが、主人公エレがサーミ人じゃなくなりたいという想いの強さですね。
それは結構最初から見えていました。

サーミ人はサーミ語を話すんですが、ほどんどの人が自分の所属する国の言葉も話せるバイリンガルだそうです。

エレは普段からスウェーデン語を話すようにしていたみたいで、母親に「サーミ語」でしゃべりなさい!と怒られているシーンがありました。

寄宿学校へ入学してからは、先生の名前「クリスティーナ」を名乗ってスウェーデン人になりすまして夏祭りに行っちゃったりと、自分がサーミ人であることを知られるのが本当に嫌なんだなという気持ちが伝わってきましたね。

そりゃそうなりますよ。。

思春期真っ只中で、男の子にも興味がある年頃なのに、民族衣装を着せられ一歩でも外に出れば近所の男の子から酷い差別を受けるんですから・・・。
その差別行為も度を超えて、傷害事件レベルなこともされるんですよ。本当にかわいそうでしたよ。

人種を偽らないと恋もできないなんて・・・本当に悲しいですね😢

 

それでも相手に立ち向かうエレの強さは、観ていて勇気をもらえます。
目つきがすごいんです。
想いの強さがその目からしっかりと伝わってきました。

この状況を変えたかったら行動を起こすしかないんですね!

 

 

選んだ人生は幸せだったのだろうか?(ネタバレあり)

 

サーミの血

 

この映画は冒頭とラストに、結構な年になった白髪姿のエレが息子と孫に連れられて、妹のニェンナのお葬式に行くという現在のシーンがあります。

「サーミ人は、嘘つきで物盗りだから嫌い。だから故郷に帰りたくない。」と渋るエレに対して、自分もサーミの血を引いていることを受け入れている様子の息子はエレを半ば無理やり連れていっています。

でも、「サーミ人は嘘つきで物盗り」というセリフは、エレ自分自身のことなんです。

自分をスウェーデン人だと嘘をついて人を騙したり、スウェーデン人として生きるために人の物を盗んだりしていたエレ。
この年になるまで、嘘で固めた人生だったことでしょう。

そこまでしてスウェーデン人になったのにそんなセリフを吐くなんて、エレは幸せだったのかな?後悔していないのかな?

そして何十年ぶりに帰ってきた故郷では、サーミ人から冷たい視線を浴びる。
同じ血の流れる人たちなのに。。。

沢山の人に囲まれたお葬式を見てみると、エレとは違ってサーミ人として生きた妹ニェンナの方が幸せな人生を送ったんじゃないかなと思ってしまいましたね・・。

 

個人評価は?

 

観てよかった!
最後の終わり方とか、なんとも言えない終わり方なので、観た後に悶々と考えさせられること間違いなしですよ!笑

今の状況から抜け出せずにいる人や、目標に向かって頑張ろうとしている人におすすめしたい作品ですが、選んで行動したことが必ずしも幸せに繋がるわけではないんだよというメッセージも込められているので注意してください。笑

でも、エレのようになんとしてでもスウェーデン人として生きたいという強い意志は、見習うべきことなのかもしれません。
(そのために犯罪を犯すのはちょっとアレですが・・・)

観て損はしない作品です!ぜひ!

 

me

個人評価は4.0です!

2 COMMENTS

いごっそう612

asamiさんのキャラまたポーズ増えとる(゚д゚)!
僕も現在イラストレーターさんに依頼しています。

この映画「サーミの血」という題名からして良いですね!
かなり重そうだけど、ちょっと気になりました。

返信する
asami

このアプリだと、何種類も出せますよ。笑

逆に、オリジナリティあるほうが羨ましいです(>_<) 結構考えさせられる作品ですが、観る価値ありますよー!ぜひ(*^ω^*)

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

error: Content is protected !!