判決、ふたつの希望【ネタバレあり感想】監督の実体験により制作。ささいな口論が国を揺るがす法廷争いに!

こんばんは、asamiです。

今日ご紹介する映画は、

「判決、ふたつの希望」

です!

ちょっと前に観ていたんですが、なかなか書けずにいて今になってしまいました😅

2人の男のささいな口論が、国中が注目する法廷争いにまで発展してしまうというお話ですが、なぜそうなってしまったのか・・・そこにはとても根深い問題がありました。

それでは、ネタバレありの感想を書いていきます!

ネタバレしている項目には注意書きがされていますので、気になる人は目次をご利用ください!

 

判決、ふたつの希望

予告動画

あらすじ

レバノンの首都ベイルート。
キリスト教のレバノン人トニー(アデル・カラム)は、出産を控えた妻のシリーン(リタ・ハーエク)とアパート暮らしをしていた。
近くでは雇われたパレスチナ難民たちが違法建築の補修作業しているため、毎日騒音が鳴り響いていた。
ある日、トニーがバルコニーで流した水が下にいたパレスチナ人の現場監督・ヤーセル(カメル・エル=バシャ)にかかったことが原因で口論となってしまう。
ヤーセルが発した言葉に火がついてしまったトニーは、パレスチナ人であるヤーセルを侮辱するような発言をし、2人の口論は法廷で争うことに。
人種が違う者同士の裁判ということをメディアが大きく報じたことで、ささいな口論は国全体を揺るがす法廷問題へと変わっていく・・・。

主な登場人物

 

トニー(アデル・カラム)

 

レバノン人でキリスト教徒。
妊娠中の妻と2人でレバノンの首都ベイルートにあるアパートで暮らしている。
バルコニーの水漏れが原因で、パレスチナ難民のヤーセルと口論になり、国レベルの法廷争いにまで大きくなってしまう。

 

シリーン(リタ・ハーエク)

 

トニーの妻。
出産を間近に控えている妊婦さん。
トニーの頑固さにイライラしてしまうときがある。

 

ヤーセル(カメル・エル=バシャ)

 

パレスチナ難民で、違法建築の補修作業をする作業員として働き、現場監督を務めている。
トニーの部屋のバルコニーから落ちてきた水をかぶってしまい、2人は口論となってしまう。

 

マナール(クリスティーン・シュウェイリー)

 

ヤーセルの妻。

 

ワジュディー(カミール・サラメ)

 

トニー側につく弁護士。

 

ナディーン(ディヤマン・アブー・アッブード)

 

ヤーセル側につく弁護士。

 

作品について

 

「判決、ふたつの希望」は、ジアド・ドゥエリ氏が監督および脚本を手がけたレバノン映画です。

この映画は、第74回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門でプレミア上映され、ヤーセル役のカメル・エル=バシャがパレスチナ人として初の最優秀男優賞を受賞しました。
また、第90回アカデミー賞では、外国語映画賞にレバノン代表としてノミネートされています。

観た感想

 

あちゃみ
母国や宗教の問題、そしてそれぞれの性格の問題・・・
こんなにもこじれるとは思ってもいなかった!

 

おっさん2人のちっちゃな口げんかが、国を揺るがす大問題にまで発展してしまうことに驚き!
一言謝れば済んだかもしれないささいなことだけど、ここまで大きくなってしまったのにはそれなりの理由があって、それは今の日本で起きてもおかしくないことだったので、他人事とは考えられなかったです。

実話が基になっていた

判決、ふたつの希望

 

「判決、ふたつの希望」は、監督の実体験を基に物語を制作しています。

監督が数年前に住んでいたというレバノンの首都ベイルート。
そこの古い通りで、映画の冒頭と同じように下で作業をしている人に水がかかり口論になってしまったんだそうです。

その時はすぐに謝ったので事が大きくなることはなかったみたいですが、菓子折りを持って相手の上司に謝りに行ったそうです。

その実体験をモチーフにストーリーを考え始め、「判決、ふたつの希望」が制作されたというわけです。

映画が完成するまでに、裁判モノの映画を沢山観て参考にしたという監督。
参考にした作品では主に、問題がどのようにして解決されたかに着目していたみたいですね。

 

事の発端はどっちもどっち

判決、ふたつの希望

 

トニーとヤーセルが口論になったきっかけはこんな感じでした。

トニーが住んでいるアパートは違法建築のアパートでした。
ベランダに付いている排水管は、違法な設計で取り付けられていたので、水を流すと上から下にダイレクトに垂れ流しになってしまいます。
そんな状態だったら下にいる人にかかってしまうのも当たり前ですよね。
しかも、トニーは違法だということを知っていました。

案の定下にいたヤーセルに水がかかってしまい、排水溝が違法なことを見つけたヤーセルはトニーに一言も言わずに勝手に排水溝を補修してしまいます。

するとそれに気づいたトニーは、補修中の排水溝をいきなり壊してしまうんです・・・😅
その行為に怒ったヤーセルは、

「クズやろう!!」

と怒鳴ってしまうんですね。

これが事の発端。

当然ヤーセルが雇われている会社は大ごとにしたくないので、ヤーセルに謝罪に行かせるんですが、ヤーセルはなぜか謝らないんです・・・

そんな状態なので、トニーはヤーセルを侮辱する一言を発してしまいます。
その一言でヤーセルはトニーの腹を殴り、肋骨を2本折る大怪我をさせてしまいました。
これがきっかけで法廷で争うことになってしまうんですよね・・・。

映像を見る限りだと、気が強いトニーが一方的に悪いように見えるんですが、コミュニケーションがうまく取れないヤーセルも悪い部分はあるんじゃないかと思います。
トニーに許可なく勝手に補修工事しちゃってるし、最終的に怪我させちゃってるしね。

そしてお互いが頑固で謝らないから尚更なんですよね。。

宗教や政治、人種が絡む複雑な背景があった(ネタバレあり)

判決、ふたつの希望

 

「判決、ふたつの希望」は、小さな口げんかがきっかけで大きな問題になってしまうというお話ですが、なぜ大きな問題になってしまったのかがとても複雑で難しかったです。

まず、舞台となった国はレバノンで、喧嘩をしたトニーはキリスト教のレバノン人、ヤーセルはパレスチナ人の難民だということ。

1948年のイスラエル建国以来、レバノンに逃れてきたパレスチナ難民は約40万人いるそうで、現在も12ヶ所ある難民キャンプで生活をしています。
レバノンに逃れてきたパレスチナ難民は特に酷い扱いを受けてきていて、差別や貧困の他、市民権も持てない為に教育を受けられなかったり病院にも行けません。
働くことにも厳しい制限があるので、不法労働者が多かったりします。
ヤーセルも現場監督でありながら不法労働者です。

対するトニーは反パレスチナ難民の政党の熱心な支持者です。
演説を聞きに行ったり、職場のラジオでも聞いているくらい熱心なんですよね。

トニーは、アパートの周辺で補修作業をしている作業員がパレスチナ難民だということを知っていて、良く思っていなかったんでしょうね。
なのでもしかしたらわざと水をかけたのかもしれません。

そして、トニーの態度がこうなってしまうことには、トニーの幼い頃に秘密がありました。

実はヤーセルと同じような立場だったんです。
過去に壮絶な出来事があって、それがトラウマのように心に残っている状態だったんです。
なのでパレスチナ人を許す事ができない・・・

ささいなことなのに、”過去”がそれを許さなかったということなんです。

 

法廷での争いは異例(ネタバレあり)

判決、ふたつの希望

 

いよいよ法廷で争うことになった2人ですが、双方の弁護士がまさかの親子ということにびっくり!!
トニー側についた弁護士ワジュディーが父親で、ヤーセル側についた弁護士ナディーンが娘なんですよー。

しかも、お互いがパレスチナ難民に対する考え方が対立しているっていう。
実際はトニーとヤーセルの争いなのに、親子の争いにもなっていて異例な感じがしました。

余談ですが、レバノンの法律では、裁判において判事は原告、被告に対して自由に判決を下していいそうです。
なので、原告を有罪にしたりもできるし、どちらも有罪、無罪にすることもできるという面白い法律なんですよね。
そのようなことも含めて、判事の発言にも注目してみてください。

個人評価は?

レバノンの歴史や、パレスチナ難民についての知識がなかったので実際は結構難しく感じましたが、背景の他のストーリーがうまくできていて飽きずに観る事ができました。

事の発端を見るとどこの国でも起こることなので、他人事とは思えないですよ。

裁判で争った2人が、時間が経つにつれて違った表情になっていくのがとても良かったです。
本当はこんな大ごとにするつもりなんてなかったのにね。

今までにない裁判映画ではないでしょうか。

気になった人は是非観てみてください😀

 

あちゃみ
個人評価は、3.9です!(5点満点中)

Matched Contentこちらの記事もオススメ

Commentsこの記事についたコメント

4件のコメント
  • Kamoko

    この映画、長崎の映画館で見て「見たい~」と思ったんですよねー
    レンタル待ちです。。仕方ない。

    歴史を知らなくても映画は楽しめそうですねー
    でも背景は気になりますよね。。

    キリスト教とイスラム教の争いは遡れば十字軍とかまでいってしまいます。。イスラエル建国の問題やら、エルサレムの問題やらで、もうぐちゃぐちゃ(><)

    パレスチナ難民はホントにかわいそうです。何とかすればいいのに、何ともならない。。中東はキリスト教、ユダヤ教、イスラム教ががんじがらめ。

    そういえば、最近、彼らの確執だらけの過去を無視して「エルサレムはイスラエルの首都」とか言っちゃって大問題を起こした人がいますね。。(・_・)

    11月 6, 2018 1:29 am
    • asami

      おそらくもう少しでレンタルになるんじゃないかと思います(^ ^)

      きっかけは些細なことだったので、背景を知らなくてもなんとか楽しめますよー!

      宗教の問題って複雑ですよね。。日本人には理解できないこともたくさん。。(^◇^;)

      この映画を観て、パレスチナ難民について調べる機会ができたんですが、本当に酷い扱いを受けていてかわいそうでした。。
      トランプさんのような差別的な考えの人がいなくなれば、少しは良くなるような気もしますが。。なんでそんな発言するのか理解できない。。

      11月 6, 2018 6:44 am
  • いごっそう612

    政治的な背景もイマイチ理解していないので、観る気はありませんでしたが‥
    読んでみると、案外楽しめそうですね。
    勉強にもなるし、観てみようかと思いました。
    ご紹介ありがとうございます。

    11月 6, 2018 6:34 am
    • asami

      背景の出来事は難しいんですが、些細な口げんかが元なので意外に楽しめましたよー(^ ^)

      レンタルされたら是非観てみてください(^○^)

      11月 6, 2018 6:45 am

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

error: Content is protected !!