かなり遅れましたが、今日は
「人魚の眠る家」
の感想を書いていこうと思います!
この映画は、東野圭吾さんの同名小説を映画化したもので、事故によって突然娘が脳死状態になってしまった家族について描かれています。
私は原作未読での鑑賞です。
とても考えされられる内容となっていました。
それではネタバレありで行ってみよー。
ネタバレが気になる人は、目次をご利用ください。
予告動画
あらすじ
2人の子供を育てる母親・播磨薫子(篠原涼子)は、夫の和昌(西島秀俊)と別居中で娘の小学校受験が終わったら離婚する予定でいる。
ある日、娘の瑞穂(稲垣来泉)と息子の生人(斎藤汰鷹)は、薫子の母親・千鶴子(松坂慶子)に連れられプールに遊びに行くことに。
そして千鶴子が目を離しているすきに、瑞穂が溺れてしまい意識不明の重体になってしまう。
事故を聞いた薫子と和昌は、病院へかけつけ医師の説明を聞くが、瑞穂は今後回復する見込みはないと告げられてしまう。
それでも奇跡を信じる薫子と和昌は、ある決断をするが、その決断によって思いもよらない事態になってしまう・・・。
主な登場人物
播磨薫子(篠原涼子)
2人の子を持つ母親。
夫の和昌とは別居中で、娘の小学校受験が終わったら離婚する予定である。
プールでの突然の事故により意識不明となってしまった娘に対し、ある決断をするが・・・
播磨和昌(西島秀俊)
薫子の夫で別居中。
IT機器メーカー・ハリマテクスの社長である。
播磨瑞穂(稲垣来泉)
薫子と和昌の娘。
プールで溺れてしまい、意識不明の重体となってしまう。
回復の見込みはないと言われている。
千鶴子(松坂慶子)
薫子の母親。
瑞穂と生人をプールに連れて行くが、目を離している間に瑞穂が溺れてしまう。
進藤(田中哲司)
脳外科医で瑞穂の担当医。
星野祐也(坂口健太郎)
ハリマテクスの研究員。
最新技術の研究をしている。
社長の和昌から、瑞穂の治療に協力を頼まれる。
川嶋真緒(川栄李奈)
星野の交際相手。
動物病院の助手をしている。
研究に夢中になっていく星野を心配している。
原作・監督
映画「人魚の眠る家」の原作は、東野圭吾さんの同名小説です。
東野圭吾さんのデビュー30周年記念として2015年に出版され、累計110万部を突破したベストセラー小説となっております。
監督は、堤幸彦監督。
トリックの監督ですね。観てないけど。
年明けには、「12人の死にたい子どもたち」が公開予定です。
観た感想
me
自分が母親だったらどうしていただろうか・・・
本当に難しい内容でした。
考えても考えても、何が正しいかなんて出てきません。
ただ、登場人物みんなの言葉は、誰ひとりとして間違ったことは言っていないと思いました。
もし私が母親の立場だったら・・・、もし父親の立場だったら・・・といろんな立場から観ることができましたね。
身近に脳死状態の人がいないからか、脳死についてはぼんやりとしか考えたことがなかったんですが、この映画を観て法律や臓器移植など、脳死によって起きる問題の難しさを考えさせられました。
親が選択した道(ネタバレあり)
プールで溺れて意識不明の重体になってしまった薫子の娘・瑞穂。
脳外科医の進藤先生からは、瑞穂は脳死状態になっている可能性が極めて高いと言われます。
絶望的な状態の薫子と和昌に、臓器提供についての話を持ちかける進藤先生。
考えた挙句、脳死判定を行うことを決意した薫子たちでしたが、瑞穂の手が動いたのを見た薫子は、脳死判定はせずこのままの状態を維持することを決意します。
IT機器メーカーの社長である夫の和昌は、体の不自由な人に対して脳から信号を送って直接体を動かす研究をしている星野に、研究内容が瑞穂の治療に活かせないか声をかけるんですが、そこからの展開は自分には共感できませんでした。
星野が行なっている研究は、機械で直接脊椎に信号を送れば瑞穂の体を動かすことができるとわかり、はじめは体の状態を良くするために治療として行なっていました。
でも星野は、腕や足を動かしている瑞穂を見て喜んでいる薫子に、もっと力になってあげたいと思ったんでしょう。
はじめは運動のために行なっていたのに、物を持たせたり口角を上げて笑わせてみたりと、行動がエスカレートしてしまうんです。
瑞穂の意思で動いているわけじゃないので、これじゃあただの親のエゴですよね。
人間の姿をしたロボットのように見えたし、そりゃみんなも怖がるのも仕方ない・・・。
星野の研究は、あくまで体が不自由な人に対するものだったのに、目覚めることがない脳死状態の人に対して行なったことで、それは何のためにしているのか?いつまで続けるのか?と先が見えない状態になってしまいました・・・。
最先端技術も、踏み入れていい領域を超えてしまうととんでもないことになってしまうんだなと、恐怖を感じましたね。
脳死を人の死と考えるかどうか
この映画では、脳死についてすごく考えさせられましたねー。
人の死は何をもって死とするのか・・・。
これはすごく難しいし、答えというのがないので人それぞれの考え方があると思います。
脳死の疑いがある人は脳死が判定された場合のみ死亡と判定され、臓器提供ができるという法律は、少なからずみなさん知っていることですよね。
おそらく、薫子と和昌も知っていたと思うんです。
でも、実際に我が子が脳死状態になってしまった時、すんなり臓器提供することを決断するかと言ったら、そんなことできないと思うんですよね。
目の前で心臓を動かして眠っている状態の我が子が死んでいるなんて思えないし、自発的に体を動かすことができるラザロ徴候という現象を目の当たりにしたら尚更・・・。
それに、脳死判定を行わない限りは、脳死の疑いがあるという言い方をされるので、脳死じゃないかもしれないと希望も持ってしまうと思うんです。
私はこの映画を観た後に、脳死状態の子供を持つ親御さんのブログや新聞の記事などをいくつか読ませていただいたんですが、生き方が違うだけでこの子は生きているんだと言っている方が多かったです。
それに小児に多くみられるという長期脳死という現象があることも、親御さんの気持ちをそうさせているみたいですね。
通常は、脳死後数日で心停止に至るとされているのに対し、小児の場合何年も生き続ける子もいるという現象。
ちゃんと体も成長するから、親御さんからしたらそりゃ嬉しいことだと思います。
でも、そんな現象が起こることを知らずに臓器提供を決意した親御さんの中には、脳死判定したことを後悔してしまう方もいるみたいで、本当に難しい問題だと思います。
なんでこんな法律があるんだろうと思う反面、臓器移植を待っている人たちもいるのを考えると、答えなんて出てきませんでした・・・。
でも、脳死を人の死と考えるのかどうかは、
実際に家族や身近な人がそうなった時にどう思うか
なんじゃないかなと思いました。
家族が娘は生きていると思っている以上は生きているんですよね。
でも中には、状況を受け入れて脳死判定を行う家族もいると思います。
薫子たちのように、行きすぎた行為をするのは問題ですけどね。
私も実際に同じような立場になったら、脳死を人の死だとは思えないんだろうなぁ。
個人評価は?
すごく難しいテーマで答えも出ないので、観終わった後もモヤモヤ考えてしまうと思いますが、脳死についてもっと理解すべきだと思える内容だったので勉強になりました。
自分がこの登場人物の立場だったらと置き換えて観てみると、より共感できると思います。
個人的にプールに連れて行ったおばあちゃんにすごく感情移入してしまい、そこだけボロ泣きでした😭
すごく重い内容ですが、観て良かったです。
でもちょっと長かったかなー😅
me
この映画、他の人のブログ記事も読んで、とても興味深い内容だなあと思ってます。
脳死の問題は、実際に直面しないとわからないですよね。。ドキュメンタリーや映画を見て色々考えてみても、実際にそんな状況に直面した時、自分がどう思うか、家族がどう思うか、そしてどう決断するか。。
普通は誰もが家族に対する深い愛情を持ってる訳ですし、今自分が思うのとは違う状況になってしまうかもしれない。。
で、家族には決めにくいと思うので、私はそうなったらどうして欲しいか話してます(^^;)
人は誰でも死ぬけれど、死に方は誰にもわからない。。死後についての考え方も違うし、人類の永遠のテーマかも。
そうですね。。
脳死に直面してみないとわからないですよね。
kamokoさんの言うとおり、自分で決めて遺言のように言っておくのが1番いいかもしれませんね。
それでもやはり残された家族は、戸惑うかもしれませんし、どうなるかわからないですよね。
難しい問題ですよね、でも僕も子供が同じことになったら同じ選択をしてしまうかも…
本人からしてみれば死なして欲しいと思うのでしょうけど‥
難しい映画ですね、おっしゃるように答えは出ないですね。
けっこう気になっていた映画ですが、読んでしまった~ので、僕はレンタル待ちにします。
そうですよね。
いくら脳死だと言われても、息もしてるし心臓も動いていたら、死んでるなんて思えないです。。
でも、脳死判定を選ぶか、そのままの状態でいるのかどちらの選択も間違っていないので、答えもないし直面しないとわからないですね。。