今日ご紹介する映画は、
「2重螺旋の恋人」
です!
フランス映画の鬼才、フランソワ・オゾン監督が制作した心理サスペンス映画です。
謎の腹痛に苦しむ女性クロエが出会った精神科医ポール。
恋人関係になっていく2人だが、実はポールには同じ精神科医の双子の兄がいた!
顔は同じなのに正反対の性格の2人に魅了されていくクロエと、クロエの腹痛の謎を解いていく終始罠だらけでとても複雑な内容となっています。
私は謎だらけの映画が好きなので、かなり好みでしたねー。
もう、頭の中ぐっちゃぐちゃですwww
この記事にはネタバレを含む項目がありますので、気になる方は目次をご利用ください。
予告動画
あらすじ
原因不明の腹痛に悩む女性クロエ(マリーヌ・ヴァクト)。
婦人科で診てもらうも、原因は心理的なものであるとされ精神分析医を紹介される。
早速訪ねたクリニックで出会った精神分析医ポール(ジェレミー・レニエ)と、カウンセリングを数回続けていったクロエは、腹痛の症状が治り気持ちも前向きになっていく。
そして、回復に向かうにつれ2人は惹かれ合い、恋人関係になっていくのであった。
ポールと同棲を始めたクロエは、ある日バスに乗っている最中に、ポールとそっくりな人物が女性といるところを目撃してしまう。
不安に思ったクロエはポールに聞いてみるも、人違いだと言われるばかり。
どうしても気になったクロエは、男を見た場所に向かうとそこにはクリニックが。
偽名を使いクリニックを予約したクロエは、そこにいた精神分析医がポールの双子の兄ルイ(ジェレミー・レニエ)であることを知る。
クリニックに通うにつれて、ポールとは正反対の性格のルイに惹かれていくクロエだが・・・。
登場人物
クロエ(マリーヌ・ヴァクト)
25歳。
謎の腹痛に苦しんでいて、婦人科の先生にとあるクリニックを紹介される。
訪ねたクリニックで出会った精神分析医のポールと恋人関係になるが、ある日ポールには双子の兄がいることが判明する。
ポール(ジェレミー・レニエ)
クロエが訪ねたクリニックで働く精神分析医。
クロエの診察を重ねるうちに惹かれ合い、恋人関係になる。
穏やかで優しい性格だが猫が嫌い。
クロエに双子の兄がいることを隠している。
ルイ(ジェレミー・レニエ)
ポールの双子の兄。
ポールと同じ大学に通い、ポールとは別のクリニックで精神分析医として働いている。
ポールとは対称的に、暴力的で荒々しい性格をしている。
ローズ(ミリアム・ボワイエ)
クロエが住むアパートの隣人。
何かとクロエに声をかけてきて世話焼きなところがある。
猫好きで、飼って死んでしまった猫を剥製にして部屋に置いている。
クロエの母(ジャクリーン・ビセット)
クロエの母。
望まない妊娠でクロエを出産したことで、クロエとは距離を置いている。
映画について
「2重螺旋の恋人」を手がけたのは、フランソワ・オゾン監督です。
私は映画監督とかあまり重視していないので詳しくないのですが、オゾン監督の映画ファンって結構多いみたいですね!
でも今回「2重螺旋の恋人」を観て、ファンが多いのもわかる気がしましたねー!
私はオゾン監督の作品は「スイミング・プール」を観たことがあって、最近の作品だと「婚約者の友人」が気になっていました。
「2重螺旋の恋人」は、第70回カンヌ国際映画祭でメインコンペティションに選出されました。
日本では、フランス映画際2018年にて上映されたのちに、R18指定で全国上映されています。
R18指定ということですが、本作では結構官能的なシーンがありました。
しょっぼい昭和かっていうレベルのモザイクがかけられていたり、冒頭からある部分のドアップが映ったりもしますw
エロさとかは感じないですが、苦手な人はやめたほうがいいかもですね。
観た感想
me
何が現実で何が幻想なのか、境目が全くわからない!!
とにかく謎が多くて不思議な映画でした!
あらすじを読む限りだと、主人公のクロエが出会って付き合っている精神分析医ポールには双子の兄がいることがわかって、クロエは対称的な性格の2人の間で揺れ動くっていう内容なんだなって思うはず。
確かにそうなんですが、話が進むにつれてポールは本当に双子なのか?これは現実ではないのか?とわけがわからなくなってきますw
でも、全部理解できなくてもラストにはちゃんと答えが見えてきます。
でも、スッキリはしませんw
こんなお話ですw
あ、でも監督曰く、4回観れば謎は解明されるらしいですよw
この映画はネタバレしないと語れないので、以下はガッツリネタバレしながら書いていきます。
観ていない人は注意してください。
恋愛映画と思いきやこんな話(ネタバレ)
「2重螺旋の恋人」は、主人公のクロエが双子の兄弟の間で揺れ動くお話としてメインに出ていますが、結論的にはクロエが抱える問題の解決に向けてのお話になっていると言っていいと思います。
クロエが抱えている問題というのは、お腹の痛みや母親との関係。
おそらくクロエは、精神的な病に侵されているような状態に見えます。
原因不明の腹痛に悩んでいたクロエが受診した婦人科医に紹介されたのは、精神分析医のポール。
ポールに診てもらうようになって腹痛がなくなったクロエは、ポールと恋人関係になりました。
しかし、ある日クロエがバスに乗っていると、ポールによく似た男が女性と話しているところを目撃してしまいます。
その男はポールの双子の兄ルイでした。
2人は同じ大学に通い、クリニックは違うけれど精神分析医をしているということが発覚。
でもなぜかポールは、ルイの存在を隠しているんです。
そのことに不満を感じたクロエは、ポールには内緒でルイのクリニックに通うようになり、その後ルイと体だけの関係になっていきます。
そしてある日、妊娠が発覚するんです。
どっちの子供かもわからないし、この関係を続けるのはいけないと思ったクロエはルイとはもう会わないようにするんですが、なんせ顔が同じなのでルイがポールになりすまして会いに来たりするんですよね。
そんなルイの行動がエスカレートして危険を感じたクロエは、精神的に追い詰められてとんでもない行動を起こしてしまいます。
銃を持ちルイのクリニックに向かい、ルイを殺そうとするんです。
クリニックに着くと、そこにはなんとルイとポールが・・・。
なぜか2人は共謀してクロエを混乱させてきます。
どっちがルイでどっちがポールなのかわからなくなってしまったクロエは、引き金を引いてしまうんです。
その時、クロエの体に異変が・・・。
そしてその後、クロエの腹痛の謎が判明していきます。
クロエの腹痛の謎(ネタバレ)
原因不明の腹痛に悩まされているクロエ。
実はこの腹痛の正体と、ポールとルイの双子が関係してくるんです。
ルイのクロエに対する行動がエスカレートしていき危険を感じたクロエは、精神的に追い詰められてしまいルイを殺しに向かいます。
そこにいたルイとポールに混乱し、どちらかに向かって銃を撃ってしまうんですが、その時クロエにも腹痛が起きるんです。
そしてなんと、お腹から何かが動き出してお腹を突き破ってくるんです・・・😱
これにはエイリアンかよ!と突っ込んでしまいましたよねw
一気に現実的じゃなくなってしまったのでテンションも下がりつつあったのですが、その後病院で処置を受けたクロエの病状が明らかになるんです。
クロエは妊娠したような症状が出ていたんですが、実際にお腹から出てきたのは人間の体の一部。
でも、身ごもった赤ちゃんの体の一部ではありません。
実は、クロエは元々双子で、母親のお腹の中にいるときに何らかの原因で片方がうまく育たず、最終的にクロエだけが生まれてきたのだということがわかったのです。
これは実際にある事例で、バニシング・ツインというらしいです。
片方だけうまく育たず、母体に吸収されてしまうことがほとんどなんですが、稀に育っている方の体の中に胚が取り込まれてしまうこともあるらしく、脳腫瘍だと思って手術したら双子の片割れの一部が出てきたなんてことも実際にあったみたいです。
クロエの場合も同じで、取り込まれてしまった片割れの一部が子宮の中にあってそれが腹痛を起こしていたということだったのです。
そして、今まで起きていたことは実はクロエのお腹の中にいた片割れが引き起こしていたことだったんです。
クロエが表に出せない欲求や願望を妄想をしているのもあるんだけど、おそらく片割れが起こしていたんじゃないかなと。
なので実際にはポールは双子ではなかったということになります。
ルイはクロエの妄想の中で作り出した人物でした。
これには驚いたぜー!
それにこのことがわかったことで、父親もわからず望まない妊娠で自分を産んだ母親との関係も改善されていくので良かったです。
7つの罠(ネタバレ)
公式サイトには、普通の予告編の他にこの映画に仕掛けられた7つの罠を見抜けるか!?という動画が公開されています。
👇それがこちら👇
1の罠 原因不明の腹痛
2の罠 正反対の双子
3の罠 外見の変化
4の罠 グロテスクな美術館
5の罠 螺旋階段と猫のブローチ
6の罠 謎の隣人
7の罠 全てを知る家
こんな感じなんですが、個人的には7つの罠というより7つの謎と言ったほうがいいのかなと感じましたね。
1の罠に関しては、上記でネタバレしたことが答えです。
2の罠に関しては、クロエの双子の片割れもクロエと正反対の性格だったのかなぁと。
実際に穏やかなポールに対してルイは乱暴なんですが、そんな乱暴なルイに惹かれてしまったり、ポールに対してアブノーマルなセックスを要求したりする一面があるので、それが片割れの性格なのかなぁなんて思ったり。
まぁ、クロエの秘められた欲求でもあるんだけれど。
3の罠に関してですが、長い髪のクロエが髪をショートに切るシーンから本編がスタートするんですよね。
そのときにクロエがカメラ目線でこちらを見ているんですが、この髪型の変化が人格の変化を意味しているのかなぁって、観終わってから思いました。
4の罠は、クロエが働き始める美術館の展示品のこと。
毎回ちょっとグロテスクな作品が展示されているんですが、これはクロエの無意識を反映させていると監督は話していました。
観終わった後にもう一度観てみると、まぁなんとなくそんな感じもしますw
この美術館の他にも、鏡を使った演出など、意識と無意識を表現している物が結構出てきます。
5の罠ですが、ポールの診察室に向かうときに登る螺旋階段、そしてルイの診察室に向かうときにも登る螺旋階段。
これって、螺旋状になっているDNAを連想させているんですかね?
タイトルも2重螺旋の恋人っていうくらいだし。
そして猫のブローチですが、ルイがクロエにプレゼントする物なんですが、終盤に登場してきたクロエの母親が同じブローチを胸に付けているんですよね。
監督曰く、
雌猫はフランス語で”chatte”と言うのですが、これは英語で言う”pussy”(女性器)と同じような俗語なんだそうです。
そう考えると、なぜクロエに渡されたのか、なぜ母親がしていたのかも理解できるかも。
6の罠、謎の隣人。
これはよくわからなかったです(^_^;)
クロエがポールと同棲するアパートに住むおばちゃんなんだけど、やたらとクロエに話しかけてきて結構お節介なんですよね。
猫が好きで、自分が飼っていた猫の剥製を部屋に置いていたり、病気の娘がいると話したりしてくるんですが、母親のような存在なのかな?
クロエの母親は、望まない妊娠でクロエを産んでいるので、クロエに対する愛情もないみたいだしクロエも母親を嫌っているんですよね。
それに対してクロエを気にかけてくれるおばさん。
クロエにとって理想の母親像を意味しているのかもしれないですね。
7の罠も謎だらけだった・・・。
クロエがポールとルイのことを知っているポールの元カノの家に行くんですが、元カノの母親がなぜかクロエがしたことを知っているんですよ。
それと、この母親とクロエの母親って同じ顔?
もう一回観ないとわからない😱
まぁ、その時点でこれは現実じゃないなとわかるんですが、ポールの元カノの名前が”サンドラ”っていうんですが、クロエが双子の片割れに付けた名前も”サンドラ”なんですよね。
おそらく、クロエの母親と双子の片割れを意味することなんだろうけど、難しすぎるよ・・・w
てかこれ、4回観れば本当に謎が解けるんでしょうか・・・😂😂😂
観た感想
ホント謎だらけで複雑なお話でした!
私はこういうの大好きなので、観た後にもう一度観たりして結構楽しめましたね。
でも、謎だらけすぎて考えるのが疲れますwww
もう少し簡単な謎にしておくれーーーw
他のオゾン監督作品も観てみたいです!
me
なかなか面白そうな映画ですね~。
けっこう好みの映画です。バニシングツインは他の映画で興味ひかれましたが、面白い題材ですよね。Netflix配信になったら是非観てみます。
面白かったですが、かなり難解な映画でした(-。-;
バニシング・ツインを題材にした映画って他にもあるんですね!観てみたいかも(^ ^)
観たら是非、感想聞かせてください(*^_^*)
「ブラッディ・ツイン」ってホラーですけど、B級ですけどそれなりに楽しめました。☆3.2って感じですかね。目を背ける様なグロシーンがあるので、そういう系苦手ならあんまりオススメはしませんよ~。
あ!その映画、以前いごっそうさんが記事に書いてましたね(^ ^)
その時ちょっと気になるって思っていた作品ですー!
確かにバニシングツインのお話でしたね。
グロ大丈夫なので観てみようかなぁ(^。^)