今日は、9月7日に公開された映画
「ブレス しあわせの呼吸」
のレビューをしていこうと思います。
この映画は、「ブリジット・ジョーンズの日記」の製作者である、ジョナサン・カヴェンディッシュの両親の実話を映画化した作品です。
28歳でポリオに感染、首から下が麻痺し人工呼吸器がないと生きていけなくなってしまったロビン・カヴェンディッシュと、そんなロビンを愛し続けた妻・ダイアナ、そして彼らの友人たちの奇跡の実話となっております。
監督は、「ロード・オブ・ザ・リング」でモーションキャプチャでゴラムを演じたこともある、アンディ・サーキス。長編映画デビュー作です。
この記事は、ネタバレを含む項目があります。
気になる方は、目次をご利用ください。
予告動画
あらすじ
財産はないけどいつもポジティブで行動力があるロビン(アンドリュー・ガーフィールド)は、裕福な家庭で育ったダイアナ(クレア・フォイ)に出会い運命の恋に落ちます。
2人はその後結婚し、ダイアナのお腹の中には新しい命が宿り、幸せいっぱいの日々を過ごしていました。
しかし、出張で訪れたナイロビで、ロビンの体に異常が現れます。
節々が痛み出してから症状はみるみる悪化、そして夜には倒れてしまいます。
すぐさま病院に運ばれ処置を施されたロビンは、検査の結果ポリオに感染したことが判明します。
症状はひどく、首から下が麻痺してしまい、人工呼吸器がないと自力で呼吸もできない状態でした。
幸せから絶望へと一変してしまったロビンは生きる気力をなくしていきます。
そんなロビンを見てダイアナは、医師の反対を押し切って自宅で看病することを決意するのです。
余命3ヶ月とまで言われたロビンは、この無謀とも言える決断にどう変化していくのでしょうか。
そしてその決断によって次々と起きる奇跡とは・・・
主な登場人物
ロビン(アンドリュー・ガーフィールド)
財産はなく裕福ではないが、いつもポジティブで好奇心に溢れている。
ある日、ダイアナと運命的な出会いをし結婚。
幸せ絶頂の中だったが、出張先のナイロビでポリオに感染し、首から下が麻痺してしまう。
人工呼吸器がないと生きていけない生活に一変してしまった彼は、ダイアナと周りの友人たちによって大きく人生を変えることになる。
ダイアナ(クレア・フォイ)
裕福な家庭のお嬢様で、ロビンと運命の出会いをし結婚。
おなかに新しい命を授かり幸せ絶頂だった中で、ロビンがポリオに感染してしまう。
看病しないと死んでしまうロビンに無償の愛を注ぎ込んだとても強くて優しい女性。
ブロッグス/デヴィッド(トム・ホランダー)
ダイアナの兄で双子。
財産のないロビンと結婚しようとしているダイアナに最初は少し心配していたが、結婚してからは影からダイアナを見守るユーモアと優しさに溢れたお兄さん。
トム・ホランダーが二役を演じています。
テディ(ヒュー・ボネヴィル)
オックスフォード大学の教授であり、ロビンの友人。
ベッドで寝たきりのロビンのために、人工呼吸器付きの車椅子を開発する。
観た感想とみどころ
me
素敵な両親だったんだなぁと実感できました。
とにかくダイアナの愛の深さに感動しました。
でも、それと同じくらいロビンの愛も深かったです。
どんな状況になってもお互いが愛し合い、笑顔で常に前に進もうと行動する姿は、この映画を観た私たちに生きる力を与えてくれます。
明日どうなってしまうかわからないこの世の中だからこそ、自分が今健康に生きていることのありがたさや、人との繋がりの大切さに改めて気付かされた作品でした。
以下、みどころです。
ポリオの恐ろしさを知る(ネタバレあり)
ポリオって名前は聞いたことあるけど、どんなものかは知りませんでした。
映画の中では、運動神経も良く活発に動いていたロビンが、一晩にしてあっという間に人工呼吸器を付けるような状態にまでになっていました。
ポリオとは?
ポリオはポリオウイルスによる感染症。
日本では急性灰白髄炎とも呼ばれていて、小児に多発していたことから小児麻痺とも呼ばれていました。
感染してもほとんどの人は無症状のまま終わるそうで、4〜8%の患者に風邪のような症状が現れ、ごく稀に0.1%の割合でロビンのような全身麻痺になってしまいます。
かつては日本でも多くの感染者がいましたが、ワクチンができてからは日本での感染者はいないそうです。
それでもまだ、アフリカやインドなどではポリオの発生が確認されているようです。
上記から見ると、感染してしまったロビンは本当に稀な0.1%の割合の症状が出てしまったと言うことになります。
ワクチンで予防はできるけど、発症してしまったら治すことができない。とても恐ろしいウイルスですよね😱
幸せそうに見えるわけ(ネタバレあり)
この映画を観て一番印象に残ったことは、ポリオに感染したことによりとても重い障がいを持ってしまったロビンと、そんなロビンを支え続けるダイアナ、そしてダイアナの兄やロビンの友人たち、みんなが笑顔でいることが多かったことです。
それはなぜかを考えてみました。
突然ですが、自分が子供の頃に見ていた両親ってどんな感じでしたか?
冗談を言い合っていつも笑っていたり、いつも喧嘩ばかりしていたり、どちらかがいなかったり・・・
家庭によって状況は様々ですが、自分が子供の頃の両親の記憶って残っていませんか?
この映画は、ロビンとダイアナの一人息子であるジョナサンが製作した作品。
終始笑顔が絶えないストーリーになっているのは、ジョナサンが子供の頃に見た両親がいつも笑顔だったからではないでしょうか?
もしかしたら、ダイアナはジョナサンに辛いところを見せないようにしていたのかもしれません。
そうだとしても、ジョナサンはとても素晴らしい環境で育ってきたんだと感じることができました。
そしてロビンの友人たちもダイアナのお兄さんも素敵な人ばかり。
ロビンやダイアナが型破りな行動をとろうとしても、否定する人は1人もいません。
ロビンの人柄の良さも感じましたね。
正直私は、現実的に考えてこんなの綺麗事だよ!って思っていました。
きっとダイアナは裕福な家庭に育ったからお金にも困ることはないし、いろいろ援助してもらったからここまでできたんでしょって。
実際それは一理あると思います。
お金がなければ治療もできず生きていけないのが現実ですから。。
映画の中ではお金で苦労しているシーンはそれほど出てこないので、実際はどうだったのかはわかりません。
でも、それを超えるくらいのダイアナの無償の愛があったんだなと確信しました。
できないことはないということ(ネタバレあり)
当時の世の中は、ポリオに感染したら死ぬまで病院で過ごさなければいけないというのが一般的な考えでした。
人工呼吸器が外れてしまえばものの2分で死んでしまうので、常に見ていないといけません。
でも、ロビンはどうにかして病院から出たいと思っていました。
そこで思いついたのが、友人に人工呼吸器付きの車椅子を発明してもらうこと。
ロビンはほんと友達に恵まれているなぁって思いますよね。
そして医師が反対する中での強引な退院に実行したダイアナの行動力もすごい。
その決意は、ロビンの命を死ぬまで預かることになるわけですからね。
でも、その行動がこれから先の道が開けた瞬間だったんです。
退院してからは、人工呼吸器付きの車椅子をどこへでも持って行ってしまう2人。
ついには家族で海外旅行まで行っていましたからね。
とにかくアイディアがすごい。笑
多少周りに迷惑はかけたかもしれないけど、無理なことなんてないんだなって。
たとえトラブルが起きても、その時その時でなんとか対処すれば問題ないっていう考え方がとても素敵でした。
その後、自分と同じ状態の人が生活をしやすくするためにと、様々な機器を開発していったロビンは、余命3ヶ月と言われてから64歳まで生きました。
当時のポリオ患者では最も長生きした人物と言われています。
何事もできないと決めつけてしまうのはもったいないことですね。
失敗するのが怖くても、一歩踏み出すことの大切さを改めて感じました。
個人評価は?
最近震災や台風被害があって、自分も明日死ぬかもしれないという不安の中で観たこともあるせいか、改めて家族や友達の大切さや、毎日を精一杯生きることの大切さを感じることができました。
めちゃくちゃ泣けたけど、その涙の中には「辛さ」よりも「優しさ」がたくさん含まれていたんじゃないかな。
観た人は心が優しくなれるはず。
気になった人はぜひ観てみてね!
me
アンドリュー・ガーフィールドは出てるんですね、けっこう好きなんです。
ちょっと重そうと思ったけど、すげえ前向きになれそうな映画ですね。
実話ベースというのが、また凄い!
自分がその立場になったときのそうなれるだろうか?
しかし、ポリオという病気がそんなに恐ろしいとは…
予防ワクチンを接種できる日本は幸せな国ですね。
アンドリュー・ガーフィールドすごく演技がうまかったですよ(^○^)
なんか、全然重く感じないくらい幸せに満ち溢れた映画でした。
自分が同じ立場になったら、、、すごく難しいですね(~_~;)
ポリオのことを知ることができて良かったです。