今日は、映画
「寝ても覚めても」
の記事を書いていこうと思います。
9月1日から公開されたにも関わらず、限られた劇場でしか公開されていなかったこの映画。
自分の地域でも1ヶ月以上遅れてやっと公開されたので、公開日に観てきました。
この映画は、同じ顔をした二人の男の間で揺れ動く一人の女の8年間を描いた物語です。
観た人それぞれに違った捉え方ができる、異色とも言える新しい恋愛映画でした。
そして、2020年1月、この映画に出演している東出昌大と唐田えりかが不倫していたことが発覚!!
約3年間に及ぶ不倫だったということで、この映画の撮影がきっかけで不倫関係になった模様です。
いやー2人ともゲスすぎて最低ですね。
それを踏まえて映画を観ていただくと、唐田えりかの印象がかなりかなーり悪くなるし、生々しいですよw
さっそくまとめていきます。
この記事にはネタバレを含む項目があります。
気になる人は、目次をご利用ください。
予告動画
あらすじ
東京の会社で働く亮平(東出昌大)は、会議室にコーヒーを取りにきた朝子(唐田えりか)と出会う。
亮平は、初対面にも関わらずどこか不自然な様子を見せる朝子に困りながらも、少しずつ惹かれていきやがて二人は付き合うことになる。
しかし、朝子には亮平に隠している秘密があった。
亮平は、朝子が2年前に大阪に住んでいた時に付き合っていた恋人・麦(東出昌大)にそっくりだったのだ。
それから5年後、二人は同棲し平凡な日々を送っていた。
ある日、二人で出かけた際に、朝子は大阪時代の友人・春代(伊藤沙莉)と再会する。
麦が突然姿を消してから2年、忘れるように過ごしていた朝子だったが、春代によって麦が最近モデルになって注目されていることを知らされる。
主な登場人物
丸子亮平(東出昌大)
東京で働く会社員。
会議室にコーヒーを届けていた朝子に出会い恋をする。
朝子の昔の恋人、麦と瓜二つの顔である。
鳥居麦(東出昌大)
朝子が大阪にいた時の恋人。
ミステリアスな雰囲気を漂わせ、突然ふらっといなくなってしまうこともよくある。
朝子と交際中に姿を消し、2年後にモデルになっていることが判明する。
泉谷朝子(唐田えりか)
大阪から東京に引っ越しカフェで働いている。
コーヒーの提供先で亮平に出会うが、大阪時代での恋人・麦と顔が同じだったことから戸惑ってしまう。
戸惑いながらも、麦のことを隠したまま亮平と付き合うことになるが、久しぶりに再会した大阪時代の友人に、最近麦がモデルになっていることを知らされ動揺する。
島春代(伊藤沙莉)
朝子が大阪に住んでいた時の友人。
朝子のことを親友と言い、いつも気にかけてくれる存在。
麦が姿を消してから音信不通になっていた朝子と、7年ぶりに再会する。
鈴木マヤ(山下リオ)
東京での朝子のルームメイト。
舞台女優をしている。
串橋耕介(瀬戸康史)
亮平が務める会社の同僚。
こちらにも出演しています。
岡崎伸行(渡辺大知)
朝子が大阪に住んでいた時の友人。
麦とは遠い親戚らしい。
映画について
「寝ても覚めても」は、柴崎友香さんの同名小説が原作です。
この小説は、2010年に発表し、第32回野間文芸新人賞を受賞しています。
監督は、濱口竜介監督。
過去に、東日本大震災をテーマにしたトータル4時間越えの三部作映画を手がけたり、5時間にも及ぶ長編映画「ハッピーアワード」を手がけ、ほとんどの登場人物が演技経験がないということや、ロカルノ国際映画祭では最優秀女優賞を受賞したことでも話題になりました。
そして今作「寝ても覚めても」は、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した「万引き家族」と一緒にコンペティション部門に出品され話題になった映画でもあります。
原作とはラストなどが少し違った内容になっているようですね。
個人的には原作のラストの方が好きかもなぁ。
観た感想
me
まずはじめに「寝ても覚めても」は、キュンキュンするような恋愛映画や純愛を描いた恋愛映画が好きな人にはオススメできません。
上記のジャンルが好みの人が観たらきっと、
「朝子最低っ!!」
だとか、
「朝子にイライラしっぱなしだったわ!!」
という感想で終わりだろうなと。
過去に出会った運命の人と同じ顔の人が目の前に現れた時の朝子の行動は、確かにイライラもするし最低だと思うこともありました。
でもこの映画を観て、
人を好きになる時の理由って何だろう?
なんでこの人じゃなきゃいけないのだろう?
と、人が人を好きになることについて深く考えさせられました。
過去に大恋愛をしたけれど、今は別の人と付き合っていたり結婚している人は、この映画を観てきっと昔のことを思い出すんじゃないかなぁ。
朝子という人物(ネタバレあり)
この映画を観た人みんながイラッとするであろう朝子。
基本的にふわふわしていて何を考えているかわからないような子です。
同じく何を考えているかわからない不思議系男子の麦と、絵に描いたような運命的な出会いをしたことで夢中になってしまいます。
朝子は本当に麦に夢中で、人が見ていようが関係なくキスをしたり抱き合ったり、親友の春代が麦と付き合うのはやめておけと忠告しても全く聞かなかったりと、まさに恋は盲目状態。
朝子は、麦が突然いなくなってしまってから大阪から東京へと引っ越すんですが、春代や伸行には一切連絡せずに音信不通。
そして再び麦が現れてからもさらっと友達を切り捨てる・・・
友達と話をしていても、人の話なんて聞いていないし、重病を患っている友達の前でも自分のことで頭がいっぱい。
麦に戻ったと思ったら、どのツラ下げて亮平に会いに行くんだよという行動をとったり・・・
男に夢中になっている時は、友達よりも男を優先し、いつも後先考えずに衝動的に行動してしまう。
こうだ!と思ったら人がなんと言おうと動かずにはいられない。
簡単に言うと、典型的な超自己中女。
朝子というのはそういう人なんです。
観ていて本当にイライラするんですが、男に夢中になったことがある人は朝子の気持ちが少なからずわかるはず。
私は大学に入って付き合った人にめちゃくちゃ夢中になっていた時期がありました。
朝子のように周りが見えなくなってしまい、彼氏の行動にいちいち不安になってしまったり、友達と遊ぶよりも彼氏といることを優先していたこともあったり、今思うともっと周りを見ればよかったなぁと思えるんですが、当時は恋愛経験も少なかったし恋している時は彼のことが自分よりも一番だったので気付けなかったなぁ。
朝子を見てイライラしながらも昔の自分を見ているようでした。
映画の舞台挨拶で、瀬戸康史が「ピュアって怖い」と言っていたんですがほんとその通りで、周りが見えないくらいに人を好きになっている時の、後先考えずに行動してしまったり、自分が不安なために人を傷つけてしまったりという行動って、自分ではひどいことだとわからないんですよね。
だからどんなことでもしてしまいそうで怖い。
朝子という人間を知ることで、愛とは場合によっては狂気にもなるということがよくわかると思います。
人は人の何に惹かれるのか?(ネタバレあり)
麦と同じ顔の亮平に出会って付き合うことになった朝子は、ルームメイトのマヤにこう言われました。
「似ていなかったら、亮平さんを好きにはならなかったってこと?」
朝子はその問いに、“わからない”と答えています。
このマヤの問いがすごくおもしろくて、観た後もずっと考えてしまいましたねー。
例えば、自分が弱っている時に声をかけてくれたAという人に惹かれたとします。
その時、AではなくてBという人が同じように声をかけてくれていたらBに惹かれていたのか?と聞かれると、わからないと思う反面、Aだったから惹かれたんだって思うかもしれませんよね。
朝子のルームメイトのマヤと、亮平と会社の同期の耕介の出会いは険悪ムードで最悪だったんですが、それでも二人は交際して結婚をします。
出会いが最悪なのに、惹かれあって結婚までしちゃうんだから、人に惹かれるって不思議なことだし、何に惹かれるかは、その時の状況だったり自分の好みの容姿だったり、いろんなものが一致した時なんだろうなぁと感じました。
おそらく朝子は、麦のことを忘れられずにいた状況だったことと、麦と同じ顔の亮平だったから目に留まっただけであって、亮平が麦に似ていなかったら出会ってもなんとも思わなかっただろうし、別のどこかで出会った人の何かに惹かれて付き合っていたかもしれません。
でも、この状況だったから最終的に亮介の心にも惹かれることができたんだと思います。
よく、好きになる時に顔から入る人っているじゃん?そんな感じ?笑
鏡のような存在(ネタバレあり)
朝子と麦を見ていて、二人ってすごく性格が似ているんだよなぁって思っていました。
ミステリアスで何考えているかわからないし、ふわふわしていてふらっとどこかへ行ってしまう麦と、同じくふわふわしていて何考えているかわからないし、友達捨てて急にいなくなってしまう朝子。
麦に関しては本当にミステリアスすぎて、幽霊なんじゃないかとか存在しているのかすら疑ってしまうほど。
麦は朝子を置いてどこかへ行ってしまい朝子を傷つけたけど、朝子も同じで友達や亮平を同じような感じで傷つけている。
麦の存在は、朝子に自分自身も麦と同じようなことをしていたんだということを気づいてもらうための鏡のような存在だったのかなぁって思いました。
もう一度麦と会ったことで、麦と自分自身の違和感を感じ、亮平と過ごした時間の大切さに気づくことができたんじゃないかなぁ。
やっていることは最低なこと。
亮平は天国から地獄に落とされたようなものです。
でも、朝子にはこうすることでしか愛に気づくことができなかったんでしょう。
朝子の周りの人たち
この映画ですごく良かったのが、朝子の友達の春代やマヤ、耕介や伸行、そして伸行のお母さん、東北の仮設住宅に住んでいるおじさんたちの存在です。
友達たちはみんな、今に至るまでにいろんな経験をしてきたんだろうなと思えるくらい変わっています。
朝子だけが流れる時間の中で何も成長せず止まっていたかのように見えて、朝子だけがとても幼稚に感じました。
そして伸行のお母さんが昔の恋愛話を話してくれるんだけど、たとえ相手は違っても、過去のその恋愛があったから今があるっていうことを気づかせてくれるんですよね。
すごく素敵でした。
私は恋愛って沢山した方がいいと思っています。
もちろん遊びじゃなくてね。
恋愛することは、幸せなことだけではなく、相手を傷つけたり自分も傷ついたりしてしまうこともあって面倒かもしれません。
でも、そういうことを経験していくことで相手を思いやる気持ちを学んでいくものなので、人間関係を築くことにおいてもすごく大切なことだと思っているんですよね。
監督が、この映画を若い世代の人たちにも観てもらって、恋愛ってこういうことも起きるかもしれないんだというのを学んでほしいって言っていたんですが、まさにその通りですねー。
沢山恋愛して何年か後にもう一度観たら、きっと感じ方が変わっているはず。
個人評価は?
なんていうか、今までにない恋愛映画を観たような感覚でした。
個人的にはすごく好きです!
観終わって1日たちましたが、今でもぐるぐる考え事をしてしまうくらいおもしろかったです。
朝子の行動にはイラッとするし、途中ホラーのような展開になりますけどね!笑
強いて言うなら、東出昌大と唐田えりかの演技がちょっとなぁ。。
特に唐田えりかは棒読み?
あと関西弁下手すぎw
観た後にどう感じるかは人それぞれで変わってくるので、観た後に語りたくなる映画です。
ぜひ、観てみてください😀
me
共感はできないけど、朝子の行動にはイラッとしてしまいそうですね(^-^;
でも僕も同じかも・・とも思います。
10代の時に出会った僕の奥さん、付き合いだして友達と全然遊ばなくなった
一時は友達にも色々言われたけど、奥さんといる方が楽しかったんですよね~。
周りから観たら、朝子のようにイラッとさせてたかも…
この映画を観たら、色々考えながら観れそうな気がします。
朝子の行動は本当にイライラします。笑
え、なんで!?ってなりました(^_^;)
やっぱり、若い時の恋愛ってハマってしまうと周りが見えなくなりがちですよね。
恋愛って、そういうことに気づいて学んでの繰り返しだと思っています。
瓜二つの男が出てきたりと不思議な話なんですが、観ててみると考えさせられますよ(^ ^)