今日は、
「ビューティフル・デイ」
のご紹介です!
公開された時から観たいと思っていたんですが、まー上映会場が少ないこと!!!
なのでレンタル開始当日に借りてきました!
それではネタバレありの感想を書いていこうと思います!
ネタバレが気になる方は、目次をご利用ください。
予告動画
あらすじ
元軍人のジョー(ホアキン・フェニックス)は、依頼を受けた行方不明者を捜すプロ。
例え殺しをしてでも見つけ出すという冷酷なやり方で生計を立て、年老いた母親と2人で暮らしていた。
ある日、仕事を紹介してくれているエンジェル(フランク・パンド)から、新しい依頼人を紹介される。
依頼人は、州上院議員のアルバート・ヴォット(アレックス・マネット)。
ある組織に誘拐され、行方が分からなくなっている娘のニーナ(エカテリーナ・サムソノフ)を捜して欲しいという依頼を引き受けたジョーは、情報収集をしニーナの居場所を発見する。
見張りを殺しながらニーナを捜し出したジョーは、議員が待っているモーテルへと向かう。
しかし、部屋についても議員はおらず、テレビから流れるニュースで議員が飛び降り自殺をしたことを知る。
主な登場人物
ジョー(ホアキン・フェニックス)
元軍人で、依頼を受けた行方不明者を捜すプロ。
捜すためなら殺しもする冷酷な一面もある。
年老いた母親と二人暮らしをしている。
ニーナ(エカテリーナ・サムソノフ)
行方不明の少女。
州上院議員の父親がジョーに捜査の依頼をする。
ジョーの母親(ジュディス・ロバーツ)
ジョーの母親で2人で暮らしている。
高齢のため、認知症のような症状も見られる。
アルバート・ヴォット(アレックス・マネット)
州上院議員でニーナの父親。
行方不明になっているニーナの捜査をジョーに依頼する。
作品について
原作は、ジョナサン・エイムズ氏の短編小説「You Were Never Really Here」。
映画化を手がけたのは、リン・ラムジー監督。
長編映画はこの作品を含めてまだ4作だけなんですが、「少年は残酷な弓を射る」では第64回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されたほか、第65回英国アカデミー賞で監督賞、主演女優賞、英国作品賞にもノミネートされています。
ティルダ・スウィントンとエズラ・ミラーが出演したこの映画、邦題は変でしたが好きでした!w
今作も、第70回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品され、男優賞と脚本賞を受賞しています!
原題は原作と同名で「You Were Never Really Here」。
訳すと「あなたは本当はここにはいない」という意味です。
これはとても意味深な言葉で、作品にぴったりな言葉なんですが、邦題ではニーナが言ったセリフの一部である「ビューティフル・デイ」に変えられています。
うーん・・・邦題微妙だな・・・(^_^;)
観た感想
me
90分という上映時間なんですが、映像の綺麗さと素晴らしい音楽がかなり印象に残りました。
出てくる映像について多くは語られないので、その時何が起きていたかなどを理解するのは結構難しいんですが、ホアキン・フェニックスの演技を観れば説明などいらないと思えるくらい、ジョーが抱えているものの重さを感じることができました。
観終わった後の、なんとも言えない余韻がとても悲しく感じさせてくれます。
好みはわかれるかもしれないですが、私は好きでしたね。
ジョーが抱えているもの(ネタバレ)
主人公のジョーは、元軍人。
原作によると、その後はFBI捜査官として働いていたようですが、あることが原因で精神的に辛くなり職を離れ、現在の人捜しの仕事をするようになりました。
劇中では度々ジョーの過去の映像が流されるんですが、そこでジョーが何に苦しんでいるのかがわかります。
実はジョーは、軍人時代の出来事や、幼少期に受けた父親からの虐待によるPTSDに苦しんでいるんです。
どういうことを受けていたのかは断片的にしか表現されず、その時何があったのか説明もされないんですが、虐待に関して心にとても深い傷を負ったんだろうなと想像ができます。
そして、一緒に暮らしている母親との関係も、幼少期の虐待が関係しているんだろうなと感じることができます。
なんていうか、依存関係にあるというか、ちょっと異様な関係なんですよね。
お互いに煩わしいと思う時もあれば、変に執着している時もある・・・1人になりたい、邪魔と思っていてもどうすることもできないもどかしさがあるような感じなんです。
劇中で、母親がヒッチコックの「サイコ」を観ているシーンがあるんですが、映画に出てくる息子と母親の関係を、ジョーと母親の関係にリンクさせている表現の仕方もとても深かったです。
PTSDによる苦しさから逃れるために、何度も死のうと試みるジョーですが、いいタイミングで母親から呼ばれたりするのでなかなか死ねないし、自分もそこまで一歩が踏み出せないという・・・
ジョーの心の苦しみがとても辛かったですね。
精神的にも虐待を受けていた子供のころのままのような幼さも感じることができるので、時間がそこで止まってしまった状態なんでしょうね。。。
全てを失ったニーナ(ネタバレ)
行方不明になっている、州上院議員の娘・ニーナ。
彼女は、ある組織に誘拐されて売春行為をさせられていました。
ジョーに見つけられた時には、心身ともにボロボロの状態で表情もなく言葉もほとんど喋らない状態。
挙げ句の果てには父親が飛び降り自殺をするという展開になり、そこからさらに何者かに連れ去られてしまうんです。
最終的にはニーナのことを気に入っていた州知事が黒幕だったんですが、ニーナの父親自身も少女の売春行為に関わっていたことが発覚します。
普通に考えたらとんでもないことですよね・・・
ニーナ自身ほとんどセリフがないんですが、印象的な目を見るだけでその苦しみが伝わってきます。
でも、全てを失ったニーナは、ジョーに出会ったことで少しずつ生きる希望を見つけたような表情をするようになります。
ジョーとは対照的に、強くしっかりとした部分もあるように見えました。
ラストの2人がその後どうなったのかがとても気になりました。
原題の意味
上にも書きましたが、「ビューティフル・デイ」の原題は「You Were Never Really Here」です。
「あなたは本当はここにはいない」という意味なんですが、ジョーの過去の出来事やニーナの出来事を想像すると、この言葉がとても重く辛く感じるんですよね・・・。
2人が存在することが否定されているような言葉・・・。
映画を観終わった後で原題の意味を知ったので、映画での出来事を振り返りながら考えるととても苦しいです・・・。
邦題の「ビューティフル・デイ」は、ラストでニーナが話すセリフでもあるので、その後の希望が見えてくるような表現の仕方で少し救われた気持ちになるかもしれません。
個人評価は?
観終わった後は、本当になんとも言えない不思議な余韻が残る映画でした。
とにかく、映像と音楽と原題の意味、2人の演技すべてが一緒になって出来上がる作品だったのかなーって感じました。
少女とおっさんが出てくるので、レオンみたいな感じなのかな?と思っていたのですが、それとはまた違った雰囲気で、これはこれで悲しくて好きです。
好みが分かれる内容かもしれないですが、気になった人はぜひー!
me
「少年は残酷な弓を射る」の監督作品なんですね!
あの映画も良かったので、内容的にもこの映画も良さそう。
評価も3.8だし、不思議な余韻が気になります!
しかし、最近良い映画ばっか当たってますね!
読んでしまいましたが、めっちゃ観てみたくなりました~。
そうなんですよー!
あの映画良かったですよね。
評価は観た人によってすごく差が出るかもしれないです(゚o゚;;
あまり多くを語らない内容なので、イメージができた後の余韻がなんとも言えません。
今のところ当たってます!笑
ぜひ!いごっそうさんの意見も聞きたいです(^ ^)